限界博士のマル秘日記

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大学入学から修士号・博士号取得までにかかった学費と受けとった奨学金まとめ

※ YouTubeチャンネルはじめました (2018年7月追記)

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奨学金関連のニュースが話題になっているのもあり、自分が学士・修士・博士と過ごす間に払った学費と、受け取った奨学金等をまとめてみた。

 

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1. 出費

私は国立大学なので授業料は表のとおり。ただし、修士二年次からは独立生計者(親等からの援助を受けていない者)として認定され、大学による授業料免除プログラム(半額または全額)が適用となっている。

このほかに、入学金が学部1年次に必要となった。修士・博士は内部進学をしたので入学金は不要だったと記憶している。(修士課程に入る時に親から「入学金が必要じゃろ?」という感じで援助してもらった記憶もあるが、結局進学祝いということにしてそのまま私の懐に入ったような記憶が。)

受験料(検定料)はセンター試験と二次試験合わせて17,000円だったはず。修士に進学するときの大学院入試では30000円かかったと思う。

これらを合計すると10年間(学部4年間+修士2年間+博士4年間)で約406万円を支払った。

 

2. 奨学金等収入

一方で、奨学金などの収入もあった。

ここでは返還義務のある貸与型のものは奨学金に含めず、給付型のものだけを記載した。ただし、日本学生支援機構(JASSO)の第1種奨学金は貸与型であるものの、一定の割合で返還免除制度があり、私は半額または全額返還免除の適用となった。そのため、その免除額に相当する金額については奨学金収入額に含めた(表の備考欄を参照)。

結論から言うと、様々な制度を組み合わせて、10年間で約1156万円の奨学金収入があった。授業料などを差し引くと、手元におよそ750万円が残った計算になるが、その金額で家賃や生活費などを賄ったので、振り返ってみると「極貧では無いが大して貯金もできない生活」だった。ただ、奨学金がなかったらアルバイトをしていただろう時間を勉学・研究に充てることができたのは本当に大きかった。

 

3. 色々と振り返って

学部生の時は全て実家から援助してもらっていたこともあり、奨学金には特に応募しなかったが、探せば色々あったのかもしれないと後悔している。自分でお金を払っていなかったので、あまり奨学金制度について熱心ではなかった。

学部3年から一人暮らしをしていたが、この時は家賃以外の生活費は自分のアルバイトで賄っていたので、今までの人生で最大に貧しかった頃だった。当然だが服は買えなかったし、なにより食費がきつかった。貯金が全くなかったというわけではなかったのだが、終わりの見えない学生生活で貯金を切り崩す精神的な余裕はなく、お腹が空いたらチョコレートを食べて空腹をしのいでいたのを覚えている。あと、冬は大変寒かった。たまに実家に帰った時に、久しぶりにフルーツを食べたなと感じた記憶がある。

 

修士1年の時に日本学生支援機構の第1種奨学金(貸与型)を月額88,000円受給した。これは返還義務があるが、最終的に半額返還免除となったので、月額44,000円の奨学金収入が入ったことになる。アルバイト収入とこの奨学金収入で、家賃以外の生活費と授業料をなんとか賄えるようになってきた時代。

 

修士2年の時にリーティング大学院プログラムに採用されたので、月額80,000円が支給されることになった。だがこの結果「家賃自分で払えよ」っていうことになったので、結構苦しい生活ではあった。授業料は半額免除になったが、大学の非常勤講師などに精を出していた。

 

博士課程に入ると日本学術振興会の特別研究員に採用されたので、月額20万円が支給されるようになった。ただ、薬剤師免許をとるために博士4年の時に薬学専攻へと移った時、ちょうど特別研究員の採用期間が終わったので、色々と金策に走ったのを覚えている。たくさんの教員の方が本当に親身になって面倒を見てくださった。結局、研究科のリサーチアシスタントや、海外のラボに滞在して研究を行う制度、日本学生支援機構(JASSO)の返還免除プログラムなどを総動員し、さらに授業料の全額免除を申請することによって、難局を乗り越えることができた。

 

4. まとめ

 

「アメリカの大学院生は給料をもらっているのに、日本の大学院生はタダ働き」という意見を(某イッターなどで)よく目にするが、必ずしもそうではない。大学院はかなり奨学金制度が充実している。もちろん学振研究員などは全員が採用されるわけではないが、それを言うならアメリカの大学院も全員が採用されるわけではない。むしろ、研究科や指導教員が給料を支払うため、採用や中途評価に関しては日本よりも厳しいのでは無いかと思う。途中でドロップアウトする割合も少なくはない。

 

日本の話に戻るが、大学院に比べて学部では奨学金制度が少ない。(これは私があまり調べなかったのが理由かもしれない。)学部でも、日本学生支援機構の奨学金制度があるが、返還免除の認定を受けるためには様々な努力や工夫が必要かもしれない。大学院生のように論文業績や学会発表があるケースは多く無いと思うので、一般的には履修科目の成績(GPA)によって評価されるのかもしれない。講義の成績は、出席点などが加味されるケースが多いので、アルバイトなどで授業に出られない学生は不利になる。理系であれば、早めに研究室に潜り込んで、小さな論文をひとつ書いてしまうのが手っ取り早いのかもしれない。返還免除の評価軸は色々あるので、アピールの方法は工夫次第でいくらでもある。

 

学生の状況はひとりひとり違うので、ひとくくりにすることはできない。ここに示したのはあくまで一例だが、何かの参考になればと思って記すことにした。

言いたかったことは、現在の国立大学の授業料水準は「学生がギリギリ自活できる(かもしれない)ギリギリの水準である」ということだ。私は幸いにして実家から援助してもらえたが、もし学部4年間を自活していたら博士課程には進学しなかったかもしれない。今思うと、学部生の時に24時間体制で勉学と研究に打ち込めたのは、実家からの援助のおかげである。自分は学部2年生の秋から、講義のあと研究室に潜り込んで(もちろん教員に許可をとっていました)心ゆくまで実験をしていたけれども、毎晩アルバイトをしていたら、そのような経験はできなかったかもしれない。

だけれども、もし経済的な理由でもって大学院への進学を諦めようとしている人がいたならば、ぜひ上の例を参考にしてもらえればと思う。大していい生活もできないが、工夫次第で経済的負担をなるべく抑えることはできる。就職していった同期たちが車を買ったり家を買ったりするので若干焦るかもしれないが。

 

 

※ YouTubeチャンネルはじめました (2018年7月追記)

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