AImedentomologie’s diary

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海外転居の備忘録【編集中】

4月からカナダのハリファックスという土地で1st ポスドクとしてのポジションを得たので、それに伴い転居の作業をすることになりました。

結論から言うと、思っていたよりも相当に大変でした。

 

ざっくり挙げていくだけで、

  1. パスポート
  2. ビザ関係
  3. 運転免許関連
  4. 住民票関連(年金とかの手続きも)
  5. 引っ越し(全てはとても持っていけない)
  6. 不要な家具等の処分(および譲渡)
  7. 現地での住居探し
  8. 国内での仕事のまとめ
  9. しばらく会えなくなる方々への挨拶回り
  10. 新しい仕事のプロジェクトに関する計画
  11. その他(数え切れないほどの)書類仕事
  12. 現地での車と保険
  13. 現地での携帯電話・インターネット
  14. 現地での家具その他備品など

など、普段好きなように実験をして好きなように論文を書いているだけの毎日からはかけ離れた、高度なスケジューリング能力を求められるタスクが次から次へと襲いかかります。普段の研究生活でも、これくらい頭をフルに使ったらもっと生産性があがるのではないか、と思うようになりました。

 

※以下、時間のある時に詳細について備忘録的にまとめておこうと思います。

 

  1. パスポート

    パスポートの取得自体はそこまで複雑ではないですし、2015年に10年のを更新したばかりだったのですが、最近本籍を移動したことを忘れており、直前にパスポートを取り直すことになってしまいました。面倒なことになると嫌なので。後から知ったのですが、本籍地を変更する場合はパスポート番号が変わるので、visa関連の書類を全て作り直さねばならず、各方面にご迷惑をおかけすることになってしまいました。

     ちなみに有楽町のパスポートセンターには、本籍地の変更などについては専用の窓口が設けられている(新規・更新とは別)ので、ほぼ待ち時間なしで手続きをすることができました。

  2. ビザ関係

    まず空路で入国するのにeTAを取得する必要がありますがこれはオンラインですぐできるので簡単。アメリカ経由の場合はESTAも必要。

     カナダの場合、労働許可証(Work Permit)は入国した時に空港で発行してもらうことになります。私はトロント空港で申請しました。一般的にカナダ国内で非カナダ人を雇用する場合には、「雇用する側」がLabour Market Impact Assessment (LMIA)と呼ばれるシステムを通して、その外国人の給料がカナダ国内の基準に比べて不当に低くないか、その分野の労働者に対するニーズがあるか(外国人を雇う正当性があるか?)といったことを証明する必要があります。ただし、ポスドク研究員の場合にはLIMA免除であることが定められているので、受け入れ研究室のボスがカナダ労働局に手数料約230ドルを納めるだけで基本的にはOKのようです(2017年現在)。で、そのレシートのコピーを印刷し、さらにOffer LetterとFunding Documentをあわせて入国時に提出しました。ちなみに長期滞在の場合は、別室になります。"I'm here to work."と言った時は少々興奮しました。ポスドクで家族がいる場合は、その場で口頭で要求すると家族の労働許可証も発行してもらえるようです。手数料を追加で400ドルほど支払って、Open Work Permit(どんな仕事でもしていい)を発行してもらうことができます。

     手続き自体はかなりスムーズでしたが、手数料の会計をしようとしたタイミングで会計窓口がいきなり閉鎖し(1日一回レジ閉めをするらしい)、30分くらい待っても開かないので文句を言ったら別のスタッフが会計窓口に来て対応してくれました。乗り継ぎ便の搭乗時間が迫っていることを伝えましたが、その効果だったのかは不明。結局大荷物を抱えて空港を猛ダッシュすることになりました。あと15分遅かったら危なかった。

  3. 運転免許関連 (2017.10.09 執筆)
    これが超絶面倒でした。後日記載予定。

    カナダの運転免許のシステムから説明すると、まず基本的な交通ルールなどの筆記試験を通過することによって「初心者運転免許」をもらえます。初心者運転免許では、必ず助手席に本免許?(Full license) を持っている人をのせることが義務付けられ、また日没後の運手はできません。他国での運転経歴がない場合は、初心運転者として1年間の運転経験を積んだ上でFull licenseの試験(road test とよばれるもので、試験官を横に乗せて街中を運転し、減点方式で採点されるもの)を通過することによって運転免許を得ることができます。

    私の場合は日本ですでに運転免許を有していたので、この1年間の練習期間は免除されます。

    この一連の手続きを開始すべく、まず日本の免許証と「国際免許証」を持ってハリファックス政府の窓口に行きました。 すると
    「日本の運転免許のofficial translationを持ってきてください」とのこと。国際免許証じゃだめなのかと確認したが、だめだとのことで「これはofficial translationではない」ということで交渉決裂。そこで日本から念のためにと持ってきた「運転免許経歴証明書」(自動車安全運転センターで発行してもらえるものです)の英語版を提出するも、これはofficial translationではないとのこと。

    このあたりでofficial translationというものがなんであるのかの定義を明らかにする必要性を認識し、窓口の職員に

    「残念だが君が必要としている書類がなんであるのかの検討が全くつかないから、サンプルを見せて欲しい」

    と頼んだところ、引き出しから書類を取り出し(最初から出せよ)かくかくしかじかと説明。判明したことは、かれらが'official translation'と呼ぶものは、日本政府による正式な書類のことではなく

    「カナダ政府から正式に認定された翻訳者による翻訳文書(カナダ政府指定のスタンプつき)」

    であるということ。
    初見殺しも甚だしい仕様なのだが・・・。しかも

    「それは誰に頼んだらいいのか」

    と尋ねると、連絡先の書かれた紙を渡され「ここに連絡してください。多分、日本語の翻訳できる人がいると思います」(多分ってなんだよ)とのこと。

    で、連絡しますと。
    「日本語の担当の人は現在休暇中で1週間後に戻ります」
    であると。

    この一連の作業ですでに1週間以上が経過しており、いろいろ手伝ってくれたカナダ人の隣人夫妻もさすがにイライラ(私以上に)してきました。(このときすでに5月の中旬。実は、免許の取得でここまで手こずるとは予期しておらず、4月末にこの隣人夫妻から私は中古で車を譲ってもらっていました。)

    私の新居は郊外なので、車がないと日用品の買い出しも困難で、隣人が買い物に連れて行ってくれたり、たまにレンタカーを借りたりしていました。

    そんな状況で「あっと1週間で戻るかもしれないし、戻らないかもしれません」みたいな曖昧な対応には私も我慢できず、結局モントリオールにある日本総領事館(ノバスコシア州を管轄地域とする)に電話で相談してみると、

    「カナダではノバスコシア州だけ日本と免許のexchangeができないので、ご不便をおかけします。(日本政府としては現在交渉中とのこと)」

    とのこと。さらに残念な気分に。(ていうかあなた方の責任ではないでしょ。)ちなみに免許のexchangeができれば、新たに試験などを受けることなく、日本の免許をそのままカナダの運転免許として移行することができます。なんという不運・・・。

    ですが、領事館の方は終始とても丁寧に接してくださいました。提案していただいた解決案としては、ケベック州(モントリオールがある州)の「認定」翻訳者を紹介していただき、その方に'official translation'の作成を依頼し郵便で送ってもらうという方法。結局これでうまく行きました。
    本当に総領事館の方には感謝です。

    やっと必要書類を揃えることができたので、日本の免許証、パスポート、official transtationを持って窓口に行き、「初心運転免許証」を発行してもらうための筆記試験をその場で受けさせてもらえることに。(実はまたここで一悶着ありましたが・・・要は必要書類はちゃんと原本を持って行きましょうということです。メールでPDFを送ってもらってそれをコピーちゃだめよってことです。。)

    筆記試験はその場で通過。初心者免許をもらうことができました。まあ、普通に勉強すれば受かるでしょう。教本がweb公開されていて、たしか100ページくらいだった思うのですが、基本的には日本と交通ルールは同じです。ただ、four-way stopとかが日本とは違うルールだと思います。日本は左からきた車が優先でしたっけ?カナダは先着順です。あとは、これは実技試験が終わった後教官からのフィードバックで知りましたが、日本の場合は線路は一旦停止ですが、カナダでは左右の安全を確認すれば停止する必要はない(業務用車両は停止義務有り)とのこと。

    初心者免許をもらえたので次は実技試験なのですが、なんと実技試験(road testよばれ、試験官を助手席に乗せて15分くらい運転するもの)は予約が1ヶ月先まで空いてないと言われる状況。このままでは冬が来てしまうと思い、遠くてもいいからどこか空いてないか?と訊くと、ハリファックスから車で1時間のBridgewaterというところで1週間後に空きがあるとのこと。即決。

    この時はさらに落とし穴があるとは知りませんでした。

    こ存じの方も多いと思いますが、カナダでは実技試験を受けに行くためには自分の車を持っていかなければなりません。合法的に車を運転するためには、保険に加入することが必要ですが、保険に加入するためには運転免許が必要です。

    免許を得るために車が必要だが、車を得るためには免許が必要なのです。
    (『キャッチ22』っていう映画見たことあります?)

    この状況を解決する方法の一つは、他人から車を借りること。保険に入っている車を他人から借りて、それを運転していけばいいのです。普通は家族とか、友人とかになると思います。ただ私は頼れるツテがほとんどなかったので(振り返って思えば隣人の頼めばよかった)レンタカーを借りることにしました。

    ※私は国際免許証を持っていたので、ノバスコシア州に上陸してから90日間はレンタカーのような「保険加入してる車」であれば一人で運転することができます。

    意気揚々とレンタカーを借り、1時間かけてBridgewaterまで行きました。
    「いいドライブだ」などと思いながら運転していた自分が恥ずかしいですが、現場について試験官から衝撃の一言。

    「残念だがこの車では、君は試験を受けることができない」

    ・・・え。チョットマッテお兄さん!

    「ダッシュボードの中の書類(保険加入の証明書と車両登録の証明書)は原本でなくコピーだ。

    レンタカー会社は原本を君に持たせないことは知っているが、正式には原本を車に乗せておく必要があり、これは正式には違法ということになるし、少なくとも実技試験を受けさせることはできない。」

    ・・・この段階でそんなトラップあります?

    仕方ないのでとんぼ返りしましたよ。次の実技試験の予約を取れるのはいつになるだろうと思いながら・・・。

    私は車を持っていない、レンタカーもダメ、ということで仕方ないので隣人に相談すると「仕方ねえな、車貸してやるよ」とのこと。結局そこからさら2週間後に実技試験の空きが出た(キャンセルが出るのを期待して、毎日のように電話をかけました)ので、今度はBridgewaterよりさらに遠い(片道1時間半)Stellartonという街まで行きました。隣人は私に車を売って、新車を手にいれたばかり。

    実技試験ではライトの点検、ワイパーが動くかどうかの点検、左腕をつかって「左折」「右折」「停止」のサインができるかどうかの確認、クラクションの点検、などを経て、ようやく路上へ。若干スピードオーバー気味でしたが、試験官が ' slow down ~'と言ってくれました。(優しい人でよかったです。)
    北米では赤信号でも安全が確認できれば右折はしても良いという慣習があるのですが、それが正式なルールなのかどうかが不安だったので(もし赤信号を無視したらその場で試験中止になる)、赤信号でずっと止まっていたら「右折はしていいんだよ」と試験官がおしえてくれました。減点はされましたけど。停止線も余裕をもってだいぶ手前で停止したところ「もっと攻めろよ」的な感じで減点されていました。停止線まで進まないと、こちらが進入したいという意思が、進入先の道路を走っている車に対して伝わらず、かえって危険だと言われました。

    採点は減点法で、45点以上減点されると失格なのですが、私は37点の減点(危なかったですね)でなんとか合格。試験終了時の

    'That's gonna be a pass'

    という試験官の言葉は、忘れられません。免許を取得するために、ざっくり2ヶ月弱かかりました。

    もし、ノバスコシア州で運転免許を取得される場合には、以下のようにするとスムーズです。

    ・カナダ政府に認定されている翻訳者に日本の免許証の翻訳を依頼(これは日本からでもできると思います。いくつかご紹介できますので、もし必要であれば私にご連絡ください。)し、その原本を持参
    ・日本の運転免許証(日本語でOK)を持参
    ・写真付き身分証明証(パスポートでOK)を持参

    の上で、窓口(Access Nova Scotia)に行く。上記3点があれば、その場で筆記試験を受けることができ、通過すれば初心者免許が発行されるはずです。(多少の勉強を忘れずに。)
    初心者免許が発行されると、実技試験の予約を取ることができるようになります。だいたい、市内では待ち時間が1ヶ月~2ヶ月程度、郊外であれば2週間以内です。重要なことですが、実技試験の時は友人から車を借りてください。レンタカーはダメです。保険の証明書(ピンク色)と車両登録証(青色)は原本が必要です。ライトがつかない、クラクションが鳴らない、ワイパーが動かない、等があると実技試験は受けられません。事前に確認してください。

    おそらくこれで完璧のはずです。
    私と同じ苦労をしなくていいように、念入りに準備されることをお勧めします。